[更新日] 2022年3月14日

2級ボイラー技士は何ができる?求人需要や給料、将来性について

未経験からボイラー技士やビルメンテナンス関連の職種への転職を目指すなら、2級ボイラー技士は取得が必須となる資格です。

ボイラー技士として取り扱いができるボイラーの種類は限られていますが、ほかのボイラー技士免許取得にはまず2級取得が前提になります。

ここでは、2級ボイラー技士になるとできる仕事やメリット、ほかのボイラー技士との違い、さらに求人数や給料などの将来性についてまとめました。

2級ボイラー技士試験の概要や難易度、勉強方法なども紹介していますので、これから2級ボイラー技士取得を目指したい人は、ぜひ参考にしてください。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

2級ボイラー技士になるとできること

温水や蒸気を発生させるボイラーを取り扱うには、ボイラー取扱作業主任者を選出して安全な作業を行なうことが法律で義務付けられています。

2級ボイラー技士資格があると、伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラーの取り扱いをするときにボイラー取扱作業主任者として選任できます。

伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラーとは、一般家庭などに取り付けられている冷暖房、給湯器などのボイラー、または製造設備のボイラーを指します。

2級取得のメリット

2級ボイラー技士資格を取得すると、限定されたなかでボイラーの取り扱いや点検作業が可能になります。また、2級ボイラー技士を取得することで、1級ボイラー技士の受験資格が得られます。

1級ボイラー技士との違い

1級ボイラー技士は、2級で取り扱えるボイラーに加えて、伝熱面積の合計が25㎡未満500㎡未満(貫流ボイラーの場合は伝熱面積の合計が500㎡以上)のボイラーを取り扱うときに、ボイラー取扱作業主任者として選任できます。

工場や病院などの施設で使用する大型ボイラーも取り扱えるようになるため、2級よりも活躍できる場面が多くなります。

2級ボイラー技士の求人数や給料

ボイラーは一般家庭から施設、工場などあらゆるところにある設備です。

2級ボイラー技士は取扱いできるボイラーは限定されていますが、今後もボイラーの点検や取扱いは必須の作業となるため、需要も高くなっています。

また、2級を取得すると、1級ボイラー技士の取得も視野に入れられます。

2級ボイラー技士が求められる求人では、月収が15~30万円前後、年収は300~770万円ほどと開きがあります。

平均して月収は25万円ほど、年収は500万円前後と考えられます。

また、同じ職種でも2級ボイラー技士を持っていると手当がつく企業もあり、年収アップも見込めます。

2級ボイラー技士の仕事内容

2級ボイラー技士の仕事には以下のものがあります。

  • ビルメンテナンス業務を行なう会社の社員
  • ホテルや旅館など宿泊施設のスタッフ
  • 学校や病院のメンテナンススタッフ
  • 2級範囲内のボイラーを取り扱うメーカー など

向いている人

2級ボイラー技士に向いている人は以下の通りです。

  • 根気のある人
  • ていねいな作業ができる人
  • 向上心のある人

ボイラーの取扱い業務として、毎日ボイラーが正常に動いているかどうかチェックを行ないます。毎日同じ作業を繰り返すことになるので、コツコツ真面目に仕事に取り組める人が向いているでしょう。

また、ボイラーの清掃などこまかい作業も求められます。

2級ボイラー技士を取得後は1級ボイラー技士やほかのビルメンテナンス関連の資格取得を目指す人が多いため、勉強が苦ではなく向上心のある人も向いています。

2級ボイラー技士試験の合格率と難易度

2級ボイラー技士を取得するには、試験に合格しなければいけません。2級ボイラー技士を取得する流れをまとめました。

  1. 受験したい都道府県の試験日程を調べて、受験申請書を手に入れる
  2. 記入した受験申請書、受験料、写真を添えて受験申請する
  3. 試験日に試験を受けて合格すれば免許試験合格通知書が送付されてくる
  4. 必要に応じた合格後の手続き(実技講習を受けたり、免許申請をしたり)を行なう

2級ボイラー技士を取得するには、筆記試験と実技講習を受ける必要があります。筆記試験は以下全40問が試験時間3時間で出題されます。

  • ボイラーの構造に関する知識10問
  • ボイラーの構造に関する知識10問
  • 燃料及び燃焼に関する知識10問
  • 関係法令10問

計算問題は少なく、知識を問われる問題が多い傾向です。また、過去2回分の問題が公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式サイトで公開されています。

実技講習は20時間の講習を修了する必要がありますが、筆記試験の前後どちらでも受講可能です。

また、特定の学歴やボイラーの実務経験がある場合、実技講習が免除されます。

受験料

2級ボイラー技士の受験料は6,800円です。

受験資格

2級ボイラー技士は誰でも受験できます。受験資格などの特別な条件はありません。

合格率は約55%

2級ボイラー技士の合格率は約55%です。

難易度としては普通ですので、しっかりと計画をたてて勉強すれば十分合格できる可能性が高いです。

筆記試験の各科目で各40%以上の合格率、かつ全体の合格率60%以上で合格となります。

2級ボイラー技士の勉強方法

2級ボイラー技士資格は、勉強すれば未経験でも十分合格が見込めます。

テキストや過去問などの書籍を使ったスタンダードな勉強方法から、できるだけ短い時間で合格したい人向けの動画教材、、など勉強方法はさまざです。

勉強時間の目安

はじめて2級ボイラー技士やビルメンテナンス系の資格を取得する場合の勉強時間は約100時間が目安です。

すでに危険物取扱者や電気工事士などの関連した資格を取得している場合の勉強時間は、約50時間が目安となります。

1日あたり何時間勉強できるかを考えると、試験日の何日前から勉強すればいいかが分かります。たとえば、はじめて受験する場合で2時間勉強するなら、約1.5~2ヶ月まえから勉強を始めると余裕を持って進められます。

需要が高い1級ボイラー技士も目指そう

2級ボイラー技士は受験資格がなく、難易度もそれほど高くないため未経験者でも十分取得が目指せる資格です。

ボイラーを取り扱うため景気に左右されにくく、今後も高い需要が見込まれています。また、2級ボイラー技士を取得すると、1級ボイラー技士の受験も可能になります。

1級ボイラー技士では、病院や工場、学校など多くの施設のボイラーが取り扱えるようになるため、さらに年収アップも見込めます。将来性の高い2級ボイラー資格を取得し、キャリアアップを目指しましょう。